コンテンツ漂流記

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描くひと 谷口ジロー展 / 北九州市漫画ミュージアムはアフターフォローも充実している

 

 2023年5月14日までの会期に間に合った。

www.ktqmm.jp

  

 Netflix孤独のグルメを見ていたものの漫画を手に取ったことがないにわか知識のままだったが、思い切って見に行ってよかった~

 漫画家としての活動初期から追っていく展示内容で徹頭徹尾絵がうますぎる。

 学習まんがに携わられていたときから既に獣を描かれており、経験の積み重ねのように感じる。以前のスクリーントーンにフォーカスを当てた展示も面白かったが、その展示を経たうえで今回の原画展示を見られたことは幸運だった。

 なんと全点写真撮影可能だったのですが、自身の映り込みが嫌すぎて斜めの角度を狙っていく図

なぜ人の手でそこまで微細に描写できるってんだい…となった絵

 どこかのタイミングで谷口ジローさんの山関係の漫画は読みたいと思う

 実在の建築物を写実的に描くことについて妥協しない人なんだろうと思う、食事シーンもうれしいし、カラーのごはんはこれまたおいしそう。

 

 生原画の迫力たるや。塗料の膨らみまで高解像度で把握できるのは今のところ目視だけ!と思っているが、そのあたりも『ゲンガノミカタ』という展示解説が原画を当初のまま保管し続けることの難しさとともにデジタルアーカイブ化の試みにも触れられていた。

 威嚇する猫が好きなので、帰りに『犬を飼う そして…猫を飼う』も買いました。
 谷口ジローコレクションに選定されている本を買うと先生が描かれたねこちゃんか犬のバッグがおまけでついてくるのでめちゃくちゃHappyです

 北九州市漫画ミュージアムは企画展を見ると常設展……7万冊のまんが閲覧ゾーンに追加料金なしで見られるのでそのまま『孤独のグルメ(新装版)』を読み通すこともできた。なんなら『孤独のグルメ』に限らず谷口ジロー作品コーナーが設営されているので全部読もうと思えば読めてしまう、小倉駅に住みたすぎる……とここに来るたびに思わせられる。

 井之頭五郎さん、案外空腹時の思い切ったメニュー決定で多すぎたり具材被りで後悔することもあったりして。

 金額が出るたびについ頭の中で計算して『また井之頭さん1食2000円超えてるし多すぎたって言った!!』とも思った。

 「なんだかすごいことになっちゃったぞ。」といった端から視界端に映ったおでんを追加注文するんじゃないよ。

 等身大の人間が生活している描写が愛おしい。いずれ単行本を手元に欲しいな。

 新装版では原作者の方を交えた鼎談もあり、入院編のエピソードが組み立てられた経緯も知ることができて面白かった。

 充実したよい日だった。